自宅でビールを作成する 2019年(作成過程編)2023年加筆

手作りビールは市販のビールにないものを持ってます。

それは「酵母菌」です。

市販のビールは、通常「熱処理ビール」と「生ビール」に分けられます。

生ビールには生きた酵母菌が含まれていると思われがちですが、熱処理はしていないものの、酵母菌の作用によって流通段階で変質してしまうのを防ぐために、わざわざフィルターでこし取っています。

だから、正確には「非熱処理ビール」という訳なのです。

このこし取られた成分は、「胃腸薬」の原料にされているため、何とももったいない話です。

ビール手作りビールと健康

市販のビールと手造りビールの大きな違いは何でしょうか?それは、手造りビールは酵母が生きている健康かつ栄養満点な飲み物だということです。

最近、ホップと炭酸の健康面への効果が注目されています。

しかし、どんなに大量の市販ビールを飲んでもビール酵母が含まれたビールを飲むことはできません。

ビール酵母には、ビタミンB群や20種類以上のアミノ酸、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれます。含まれているアミノ酸のうち8種類は、体に必要不可欠で、しかも体内で生成できないものです。また、ビフィズス菌などの整腸作用がある細菌が腸内で増えるために必要な栄養素も含まれています。

手造りビール300~350ml中には、酵母菌が300億~500億個体以上が含まれています。手造りビールを飲むと胃や腸が丈夫になり、体に良いというのは当然です。しかし市販のビールは、流通や保存の問題からビール酵母を加熱がろ過により処理しています。ですから、せっかくの酵母の恩恵を全くうけることができません。

手造りビールには市販ビールにはない素晴らしい魅力があります。「酒は百薬の長」という言葉がありますが、酵母をろ過せずに飲んでいた時代は酒が健康に良いのは当たり前のことだったのですね。

今まで作成してきたビールの詳細な手順を作っていなかったので手順を説明します。

 

器具及び材料

発酵タンク

22リットルタイプのタンクを使用

温度計(タンク用貼るタイプ)

もともとキットにはついているものの、あまりにもチャチイので後から購入しました。酵母菌が死滅しないように温度管理が重要です。

シール温度計:ブリューランド

https://item.rakuten.co.jp/sakeland/10000055/?scid=af_pc_link_txt&sc2id=af_101_0_0

温度によって色が付いて分かりやすいです。

洗ビンブラシ

毎年、ビール作る際にビン内部を除菌洗浄するのに必要です。

発酵栓

発酵の様子を栓の水量で確認するのに使います。

打栓器

ビンに王冠を圧着するのに使います。

これらの道具の中で1番壊れやすいものみたいです。また、力がある方は力任せに圧着して壊すことが多いとか

中ビン・王冠

大瓶:633ml 中瓶:500ml 小瓶:334mlで今回は中瓶を使います。

最低 17リットル作ると中瓶500mlなので34本必要です。当然、王冠も同数必要となります。

※大瓶は約26本、小瓶は約50本

今回は、19リットル作るので38本が必要となります。

 

無水エタノール・精製水

消毒用霧吹きの中身です。

無水エタノール(エチルアルコール)65%+精製水35%

気化する際に消毒効果があるので、その後の水洗いは必要ありません。

霧吹きスプレー

100均で霧吹きを買います。

上記の消毒液をいれるのに使用します。

 

寸胴・お玉

ビールの素を煮てかき混ぜるのに使います。

料理用ヘラ

ビールの素を缶から出すのに必要です。

計量器

スティックシュガー1本が3gか?6gのため、中瓶に入れる目安となる4gに調整するために必要です。

紙コップ

数個要ります。スティックシュガーを4gに調整する際に使用します。

ビールの素・酵母

軟水に合う、口当たりがいいビールです。酵母は上蓋の中に一緒に入っています。

ピルスナービール 1700g

砂糖

砂糖が17リットルなら800gくらい。

19リットルで仮に5.05度だと1200g必要となります。これが酵母菌のエサとなります。

上記の酵母のエサとは別に二次発酵用のスティックシュガーも用意します。

4g×38本分

LOHACO Water(ロハコウォーター)は硬度19mg/Lと軟水で、まろやかで清涼な飲み口が特徴の天然水です。(採水地:群馬県吾妻郡嬬恋村)

ピルスナーは軟水が良いので、水はこれにしました。

富士山の天然水みたいなものも軟水が多いです。

1本2リットルなので19リットル作るには本半使います。

数日前の準備(消毒)

全ての用具やビンの中身、発酵タンク内、蛇口用アタッチメントをすべて中性洗剤で洗った後に完全に乾かします。

その後、消毒液入り霧吹きスプレーで消毒します。

消毒液が乾くまで待つの?

消毒液は、ある程度、気化すれば完全に乾かさなくても、味やに臭いに影響することはありません。

スプレーで消毒したら、ビンの中身は乾きが悪いので、ビンの口を外側にしてビンを振ってビン内部の水分を外へ出しましょう。

その後、ドライヤーで風を当てて乾かすとなお、良いと思います。

蛇口用アタッチメントは消毒後取り付けておきます。(栓が解放になってないか?確認する

後日乾いた後に作業で使う道具を用意

用具 寸胴、お玉、温度計、発酵タンク、発酵栓、料理用ヘラ、消毒用霧吹きスプレー、ガムテープ、プラ板

具材 ビールの素、砂糖、水

仕込み

寸胴に3リットル2本)のペットボトルの水を沸騰させ火を止める。

ビールの素の1700g全部を料理用ヘラで寸胴へ入れます。その際、寸胴からお湯をお玉ですくって缶の中のビールの素をすべて寸胴に流し込みます。

同じく砂糖を自分の作成分量、仮に1200gとし入れてお玉でよくかき混ぜながら寸胴に落としこみます。

砂糖は寸胴の底に残るので、よ~くかき混ぜます。底の砂糖をかき混ぜる際、フライ返しがあると便利かもしれません。

ここにレシピ計算表が掲載されています。


寸胴からタンクに入れる前に、「プラスチック保護」と「蛇口の閉め忘れ」防止のために4リットルくらい水を先にタンクへ入れておきます。

次に、寸胴からタンクに移す際に、だいぶ漏れ出してしまうため、漏れ防止で消毒したプラ板を寸胴の淵1/3くらいに液体を誘導するようにガムテープ等でプラ板を固定して、そこから流し込む方がもれないと思います。(ここでいつも苦戦します)

ペットボトルの水をタンクにラベル下まで追加します。

タンク水温が25~35℃になるように、冷やしたり調整して適温になるようにする。

※上記、適温でないと酵母菌が働きません。


液温を計り、35度より低くくしてビール酵母(7g)(1袋)を入れる。(水温の下限は25℃)

温度が高い場合は25~35度になるまでラップを蓋の部分にしてビールを冷ましてからビール酵母を入れる。

入れる際は、ばらける感じで入れていきます。入れた後、少しタンクを振るとよいかもしれません。


発酵栓に2つの管とも水がMAXの線(結構下の方)になるように両栓とも水を入れ、発酵タンクの蓋に取り付けてこれを適温で保管して発酵させます。

発酵栓

発酵栓の刺し方が弱いと、そこから発酵中の炭酸ガスが漏れてしまうことがあります。必ずフタをしっかりと締め、発酵栓もしっかり差し込んで、ガス漏れがないようにしてください。

発酵栓の水は必ずしも平行になるということではありません。発酵が終わったかどうかは、発酵栓の水の位置ではなく、動きがあるかないかで判断してください。発酵栓の水の動きが止まったら、味見をして甘味が完全になくなっていれば発酵完了と判断できます。

水をあまり入れすぎると、発酵した空気によって水が押し出されてしまいます。

一次発酵

発酵とは、酵母・細菌等のもつ酵素の作用で、主に糖質のような複雑な化合物を分解して、アルコール・炭酸ガス等を発生させる過程を言います。

ビール酵母によって、モルトに含まれる糖分の約50%がアルコール、約50%が炭酸ガスに分解されます。従って仕込み溶液の糖度を高めれば、出来上がるビールのアルコール度数を高くすることができます。

18℃~26℃の日が当たらない場所に置きます。

18°C以下では発酵せず、30°C以上が続くと酸っぱくなってしまいます。

一次発酵中はフタを外してはダメです。

発酵最初の比重 1.0518736846212104

最終の比重 1.0129684211553025

2~3日:発酵栓からボコボコと泡がでる。

4~6日:ゆっくりでも断続的に泡がでる。

7~10日:完全に泡がでない(味見をして甘くないか?を確認する)

      

※気温が高いと7日以下、例えば4日で終わったり、低いと10日以上や1か月近くかかったりすることもあります。期間よりも発酵栓の水の動きをよく観察して、発酵完了を見極めてください。

7日~10日で発酵栓の水の動きが止まったら味見をし甘みが無ければビン詰め作業に移ります。

ビン詰めについて

発酵が終了して3~4日おいてからビン詰めしても問題ありません、ただし、1週間以上先に延ばすことは避けてください。

最終作業で道具を用意

用具 消毒用霧吹きスプレー、中瓶38本、王冠38個、打栓器、計量器、紙コップ、物差し、ラベル、自作ラベル標準器

具材 砂糖(スティックシュガー)又は測った砂糖カップ

ビン詰め

ビン詰めの前に再度、消毒用霧吹きスプレーでビンの中を消毒して乾かします。

蛇口用アタッチメントを消毒用霧吹きスプレーで消毒します。


スティックシュガーを用意します。

ほとんどの市販されているスティックシュガーは3gか?6gです。

このスティックシュガーを入れて2次発酵時で、できるのは炭酸ガスです。

二次発酵は3~7日かかります。また、18°C~26°Cの日の当たらない場所に置きましょう。

炭酸ガスには、特徴ある喉越しと泡立ちともにビールの変質を防ぐ効果があります。手造りビールでビンに詰める際に砂糖を加えるのはこのためです。

ビールの発酵方法により、下面発酵タイプと上面発酵タイプがあります。

下面発酵は2~10°Cで発酵する下面発酵酵母(ラーガーイースト)を使用し、19世紀になって冷凍庫が発明されてから飛躍的に普及しました。大量に均一な味のビールを造るのに適していますので、現在市販ビールのほとんどは下面発酵タイプです。

上面発酵は比較的高温で発酵する上面発酵酵母(エイルイースト)を使用します。下面発酵タイプが普及するまでほとんどが、このタイプでした。ベルギーの修道院ビールや白ビール、英国のスタウトなどが伝統的なビールで、現在でもこのタイプです。また大規模な冷却設備を必要とせず、個性的なビールを少量ずつ醸造できるため、日本の地ビールはほとんだが上面発酵タイプです。上面発酵酵母を使えば、家庭でも簡単に、さまざまな味の本格派ビールを楽しむことができます。

中瓶だと砂糖3~4gが規定量なので紙コップに4gを作ります。

紙コップの淵に少し折り目を付けるとビンに注ぎやすくなります。

ビンへ最初に砂糖をいれてからビールを注ぎましょう。砂糖を後でいれると泡がでて吹きこぼれます。

※砂糖を規定量より多く入れすぎると圧力が高くなりビンが割れたり、開蓋の際に泡が吹き出すことがあります。


発酵栓を取り外します。これやらないと発酵栓内の水がタンク内に出て行ってしまいます。

発酵タンクの上蓋を1回転ほど緩めます。

ビールを蛇口用アタッチメントからビール瓶へ注入します。

ビールと注入する際、初回は物差しで測りビンの口から5cmほどの空きを作ります。2本目以降は、最初と同じ量で注入します。

最後の方はタンクを傾けてビールを注入します。

底にたまっているクリーム状のものは増えたビール酵母です。これはビール瓶にはいれません。


先ほど計量した紙コップの砂糖をビンへ入れます。

※先に入れてもよいのですが、何本必要か?がわからないため自己判断で!!


王冠をビンにセットします。

打栓をする前なので王冠のカサが開いています。


打栓をします。レバーが真横よりちょっと下になるくらいまで両方を下げます。

打栓後、ビンを上下逆さまにして漏れていなければ大丈夫です。

※力を入れすぎると壊れます。これで打栓器を壊す方が結構いるみたいです。


参考として王冠がどんな感じで打栓器にセットされるか?が以下の写真です。

ラベル貼り

ラベルを用意します。

今年は丁度、「令和」になった記念の年なので薄っすら令和ロゴを入れてあります。


ラベル貼りですがラベルの位置を均等にしたいのと、適当に貼ると角度が微妙にずれるので自作標準器を使います。ビンに貼る位置を事前に確認して、その高さになるように輪っかを作ります。こちらが作ったのは厚み23mmです。


この輪っかはラベルを作った際の切れ端で作成しました。

熟成させる

18~26℃の日の当たらない場所に3~7日間置いて二次発酵させた後に3週間~4週間、冷暗所(日の当たらない場所・できるだめ涼しい場所)に置き熟成させて完成となります。

ビンの底にあるもの

ビン詰めしてから2週間後などに、ビンの底に沈んでいる物体は砂糖ではなくて澱(酵母)です。これは味や臭いへの影響はありません。体に良い成分ですので飲んでも問題ありません。

ゴールデンウィークに作り出せば6月中旬~下旬にかけて飲み頃となります。

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