新型コロナウイルスワクチンメモ

新型コロナウイルスワクチンについて色々なWEBに書いてあるので、自分に必要なメモとしてまとめてみます。

コロナ変異株のワクチン予防効果、接種1回でもデルタ株に7割有効、カナダの公的研究機関検証

  • 2021年7月27日

カナダの公的研究機関は、新型コロナウイルス変異株に対するワクチン3剤の予防効果を検証した。同国の今年5月までの感染データを解析した。インドで最初に発見され各地で感染が広がっている変異株「デルタ株」に対しては、米モデルナ製と英アストラゼネカ(AZ)製ワクチンは接種1回でも7割前後の発症予防効果があった。モデルナ製は他の変異株に対しても接種1回で7~8割の予防効果を記録した。

 カナダ政府が支援する「カナダ予防接種研究ネットワーク(CIRN)」が、オンタリオ州で昨年12月~今年5月に報告された約7万人の感染データを解析、コロナワクチンの変異株に対する有効率を検証した。モデルナ、AZ、米ファイザー/独ビオンテック製の3剤が対象で、接種人数や陽性人数の内訳は明らかにしていない。査読前論文データとしてウェブ公開した。

 デルタ株に対する接種1回目の発症予防効果は、モデルナ製が72%と最も高かった。AZ製は67%だった。ファイザー製は56%と低かったが、2回目後は87%に上昇した。

 「アルファ株」への発症予防効果は、モデルナ製は接種1回目で83%、2回目で92%を記録。ファイザー製は1回目は66%だったが、2回目で89%に上昇した。AZは1回目で64%。2回目のデータは観察期間が足りず出ていない。「ベータ株」「ガンマ株」に対しても、モデルナ製が接種1回で77%を記録。ファイザー製は1回目は60%にとどまったが、2回目は84%だった。AZ製は48%。

 研究グループは、接種1回でも変異株に一定の効果が見込めると評価し、ワクチン供給が追いつかない地域では集団全体の1回目接種を優先することを提案している。

ファイザー製ワクチン、間隔を4週以上空けると抗体増える=英研究

  • 2021年7月23日

新型コロナウイルスに対する米ファイザー/独ビオンテック製のワクチンは1回目と2回目の接種の間隔を4週以上空けた方が抗体が増えると、英研究者たちが発表した。1回目と2回目の間を8週間空けることが、デルタ変異株に対して最適かもしれないという。

医療従事者を対象にしたオックスフォード大学などによる調査は政府予算によるもので、まだ査読を受けていない。

ファイザー/ビオンテックはワクチンについて、3週か4週の間隔をあけて2回接種するよう推奨している。

しかし英政府は2020年末に、接種間隔は最大12週間と方針を示した。これは英政府が当初、なるべく多くの国民に少なくとも1回目の接種を急ぎ行き渡らせようとしていたため。イギリスは当時、感染の第2波に襲われており、限られたワクチン供給量での感染抑制を優先していた。

7月になると、インドで最初に特定されたデルタ株の感染が国内で急拡大している事態を受け、英政府は40歳未満に対するワクチン接種の1回目と2回目の間隔を、12週間から8週間に短縮するとした。

新型コロナウイルス感染症COVID-19に対する医療従事者の免疫状態を調べる政府調査(PITCH調査)をオックスフォード大で主導するスサンナ・ドゥアンシー教授らが、今回発表した調査結果は、国民保健サービス(NHS)のスタッフ503人を対象にしたもの。

503人は昨年後半から今年初めにかけて、英南東部ケント州で特定されたアルファ変異株がイギリスで拡大している最中に、2回のワクチン接種を受けた人たち。2回目の接種から1カ月後に、血中の抗体量を調べた。

その結果、次のことがうかがえるという――。

  • ファイザーワクチンの1回目接種と2回目接種の間隔は長くても短くても、全般的に強力な免疫反応につながった
  • ただし、ウイルスによる細胞感染を抑制する中和抗体(特定のタンパク質の活性を中和する抗体、ウイルスのタンパク質に結合して感染を防ぐ)の産生は、間隔が3週間の場合、間隔が10週間の場合より少なかった
  • 1回目の接種後に抗体量が一時的に減るものの、免疫にかかわる「T細胞」の量は高い状態で維持されていた
  • 接種間隔が長い方が全体的なT細胞量は少なかったものの、「ヘルパーT細胞」と呼ばれる細胞の割合が高くなった。このヘルパーT細胞は、免疫記憶を支えるという

ドゥアンシー教授は、ワクチンは1回しか受けないよりも2回受けた方が良いとした上で、2回目を受けるタイミングの良し悪しは状況によって異なると話す。

現在のイギリスの状況では、「8週間がベストなタイミングのように思える。大勢が2回目を希望しているし、デルタ変異株がたくさん出回っているので」と、教授は話した。

「残念ながらこのウイルスが早々に消えるとは思えないので、その中で自分にとって最善な防御をどう身につけるのが良いか、考えてもらいたい」

ファイザーとモデルナのワクチン治験では両方ともほぼ全ての人に抗体ができたものの、モデルナの方がほんの少しだけ(数日程度)早く抗体ができる可能性があるかもという報告がありました。
これはモデルナのワクチンはファイザーに比べて、使用するmRNAの量が多いためではないかとされています。

ファイザー社のワクチンは、実はドイツのベンチャー会社であるビオンテック社が開発した技術をベースに開発されています(ファイザー社がビオンテック社に開発協力をした形です)。
ビオンテック社は以前よりRNAをがん治療に用いることを目指し医薬品開発をしていた企業です。

一方モデルナ社もmRNAを用いるワクチンなどの医薬品開発を目指して設立されたアメリカのベンチャー企業です。

同じシステムを用いている両社のワクチンですが、全く同じものというわけではありません。

内部に含まれるmRNAの量が違ったり(モデルナの方がファイザーより大きいmRNAを使用します)、mRNAを包む脂質の膜に使われている脂質の違いがあったりします。

また両者には、保存方法の違いファイザーは-90~-60℃、モデルナは-20℃で保管)があります。
ただこの違いの根拠は実は明らかにはなっておらず、おそらく双方のワクチンの安定性に大きな違いはないだろうと考えられていますファイザー社はやや安全圏を広くとって考えているようです。実際ファイザーのワクチンは新しいデータが出たことにより、保管条件がここ1か月ほどで緩和されてきています

また使用間隔にも違いがありますファイザーは3週、モデルナは4週空けて2回)。
これも、治験のやり方の違いがそのまま使用方法の違いになったためです。
動物実験や少数の人への治験(第1相試験といいます)で得られた結果は、さらに大人数での試験を行う(第2相、第3相試験といいます)時の基礎になります。
この得られた基礎データを活かすときに、ファイザーのワクチンでは3週間、モデルナのワクチンでは4週間空けて治験をするという判断の違いが出たわけです。

そして変異株についての効果ですが、これも双方の違いを直接比較する報告はありません。
これらのmRNAワクチンは、多少発症予防効果が低下する可能性は言われているものの、未接種時と比べた発症予防効果は十分に保たれているとの報告が多いです。
今一番蔓延が危惧されているデルタ株(いわゆる「インド型」)に対しての最新のデータは以下の通りです。

両者とも十分な効果はあると考えてよいでしょう。

 英国の研究
ファイザー:1回接種で33%、2回接種で88%の感染予防効果。
アストラゼネカ:1回接種で33%、2回接種で60%の感染予防効果。

 カナダの研究
ファイザー: 初回接種後14日以降に56%、2回接種後87%の感染予防効果。
モデルナ:初回接種後14日以降に72%の感染予防効果。
アストラゼネカ: 初回接種後14日以降に67%の感染予防効果。
(モデルナ、アストラゼネカでは2回目の投与については十分なデータなし)

 イスラエルの研究
ファイザー: 2回接種で64%の感染予防効果。
(調査期間中に感染した人数が少なく、無症状の感染も含まれている可能性あり)

 スコットランドの研究
ファイザー:2回目接種後14日以降に79%の感染予防効果。
アストラゼネカ社:2回目接種後14日以降に60%の感染予防効果。

これらはまだ生データの段階のものも多く、より統計学的にデータを処理する必要があるものも多く残っていますので、はっきりとしたことはもう少し待たないと言えないかもしれませんが、大きく覆ることもないでしょう。

いずれにせよ、何とか違いを見つけようと頑張りましたが、違いはやはり小さいものでした。

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